こんにちは、学生スタッフの大原です。
寒さは厳しくなり、世はクリスマスムード。体感的寒さを防ぐアウターも無ければ精神的寒波から僕を守ってくれる恋人も無く、新年に向けて全力疾走する思いです。まさしく師走。
話は変わり、先日『東京物語』という小津安二郎監督の映画を観ました。この映画は、ある家族の数日間を描いただけですが、構成の美しさや無駄の無いカメラワーク等、素晴らしい作品でした。後々調べると、小津安二郎監督の映画は”小津調”と言われる、彼が編み出した独自の撮り方を基に作られているようで、日本の映画監督のみならず、世界中の映画監督から尊敬されているそうです。(個人的にはスタンリーキューブリック監督は絶対に彼から影響を受けているなと思います笑)”小津調”を簡単に説明すると、カメラを低い位置に固定し、ショット内の構図を変えないようにすることなど、つまり、洗練された美しさを無駄を省くことによって演出するものとでも言いましょうか。とにかく美意識に富んだ撮影方法です。
初めて小津監督の作品を観て感じたことは、彼の作品作りが”禅思想”に似ているなということ。それは、”出来るだけ無駄なモノやアイデアを減らし、最小限のもので価値を最大化”する姿勢です。禅における、不要な考えを捨て、迷いを断つ精神そのものです。
トロワバグでのアルバイトをはじめ、今年一年様々なモノに触れられたと思います。そしてこれら経験から感性が磨かれたなと実感することもあります。それは一本の映画を見るにしても様々な観点で作品を捉えられるようになったこともそうです。
たった一杯の珈琲にも哲学があり、どれだけ些細なモノからいかに哲学を感じ取れるか。こういう意識が大切だなあと考える一年になりました。
迫り来る2019年に対抗し、トロワバグでは12月29日(土)まで営業をする予定です。今年最後の一杯をそして一杯の珈琲から哲学を感じに是非トロワバグへお越し下さい。
珈琲豆の販売も行っているので、寒い年越しのお供にトロワバグの珈琲を入れていただけたらとも思います。
ちなみに新年始めの営業は1月5日(土)からになります。